シルビアターボってどんな車?

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シルビアターボってどんな車?

シルビアS13型がデビューしたのは、ターボ付きエンジンを採用する車が増えてきた頃でした。そんな中シルビアと言えばターボチャージャーと言われるようになった理由は、何だったのか。また、日産がターボにかける思いは何だったのか。今回はシルビアターボのお話です。

出典:http://www.photo-ac.com/

シルビアターボはこんな車

鮮烈なデビューのS13型

1988年「ART FORCE SILVIA」というキャッチフレースを掲げ、シルビアS13型はデビューしました。
当時人気だった、ホンダ・プレリュードとともにデートカーブーム(※1)を巻き起こしました。中でもシルビアは美しいスタイリングなボディに走りに人気を博しました。小型車では数少なくなったFR車(※2)ならではの走りを楽しめるモデルとしても高く評価され、シルビア史上最大の成功作となりました。若者を中心に爆発的に売れました。 7

※1. 比較的低廉な価格で、スポーツカーやGTカーの「雰囲気」が味わえるのが特徴で、1970-1990年代にデートのための車として若者たちの人気を集めた 8
※2. 車輪を有する輸送機器の駆動方式の一つで、前後の車輪のうち後方の車輪を駆動する方式である 9

搭載エンジンに秘密あり

搭載エンジンは、最高出力175ps/6400rpm、最大トルク23.0kgm/4000rpmを発生する1.8リッター直4 DOHC 16バルブ ターボエンジンです。トランスミッションは5段MT(ミッションギア)または4段AT(オートマチック)で、ビスカスLSDも標準装備していました。 10
後のモデルチェンジで、ツインターボを搭載するようになりますが、美しい走りが売りのシルビアには、ターボチャージャーが必須だったようで、日産開発者はターボエンジンに力を入れていたようです。

ニッサン シルビア ターボC ニチラ

1983年の鈴鹿1000kmで、鈴鹿初登場のニッサン シルビア ターボC ニチラは、予選ポールポジションを獲得した車です。ポルシェ956が叩き出したレコードタイムを7秒06も縮める驚異的なタイムを記録している車です。この車のベースになったのは、F1界で有名なエイドリアン・ニューウェイ作のマーチ83Gです。そしてこの車に乗ってレースに出ていたのは、星野一義氏です。星野レーシングが当時3800万円を出して購入した車で、生産台数5台のうちの最後の車だそうです。 11

ターボ好きがジェットエンジンを搭載した

「東京オートサロン」という最高速を競うチューニングカーの祭典があります。そこで自慢の改造車を出展するのが、通なオーナーたちの間で流行っていました。そこに登場したのがシルビアターボです。S14型を極限まで改造してジェットエンジンを搭載してしまったことが話題になりました。あまりの過激さに「魔改造」と呼ばれるほどでした。もともとの直列4気筒SR型エンジンから、トヨタ・スープラの直列6気筒2JZ型に換装。ただでさえ大きくなったエンジンに、ターボのタービンを4基つけた模様。巨大なタービンはエンジンルームに収まりきらず、ボンネットをくり抜きました。理論上もっとタービンを積めたようですが車への負担を考え850馬力で抑えたと言います。 12

まとめ

シルビアと言えば、美しくスタイリッシュで速いイメージがあります。そのためにもターボは、必須だったんですね。ニッサン シルビア ターボC ニチラのように有名ドライバーがターボを積んでライバル車をごぼう抜きにすることが、シルビアのあるべき姿なんだと思いました。はじめの頃は、売れませんでしたが、時代の流れとともにシルビアが見直され見直されるようになりました。時代がやっと追いついたというべきでしょうか?オーナーさんの中には、ノーマルエンジンのシルビアを購入して自分でターボチャージャーを換装する人までいるようです。